2015年7月7日火曜日

Buffalo WLA-G54 のメモリ増設

本ブログの掲示板に バッファロー WLA-G54 無線 LAN アクセスポイントの USB に関する情報が掲載されました。どうもありがとうございます。

メモリを増設したバッファロー WLA-G54 です。

今日は、この WLA-G54 の USB ポートの追加作業を行う前の事前作業として、メモリの増設を行いました。FON2100E や FON2201 でメモリの増設を行なっていましたが、制御チップが、全て Atheros 社のものでした。今回は Broadcom 社のチップの BCM4702 ということもあって、システムメモリの認識方法が違うなど、新しいことを体験しました。だんだんと老化する脳を活性化させるのによい経験となりました(笑)。

メモリ交換の方針

現在のメモリは 8MB のメモリ(1Mword x 16bit x 4bank, VG36641641DT-7L)が二枚搭載されており、合計で 16MB の容量となっていました。

元々搭載されていたメモリです。
VG36641641DT-7L

USB ポートの追加で動作させるファームウェアには、いろいろと手が加えられる OpenWrt を念頭においているため、32MB の容量に倍増させることとしました。32MB の容量は FON2100E や FON2201 で 32MB のシステムメモリで OpenWrt を動作させたときの実績によります。

32MB のシステムメモリにするには、2Mword x 16bit x 4bank のメモリが二枚必要となります。ノートパソコン用のメモリカードのうち、128MB で 8 チップが搭載されているものからメモリチップを剥がして使用することとしました。

PC133, 128MB で 8 チップのメモリカードからチップを流用しました。
MT48LC8M16A2-75B

分解作業

分解は最近行ったばかりで、内部も掃除済みなので、気持よく作業出来ました。

分解した WLA-G54 です。
以前追加した JTAG 用ピンヘッダが左手前に見えます。

メモリの交換

メモリチップの交換のためにコテライザーを購入しておりましたが、FON2201 などではよい成果を上げることが出来ませんでした。しかし今回の WLA-G54 では、アースパターンなどの放熱の大きな部分へ直接チップがハンダ付けされていませんでした。そのためか、二枚のメモリチップを綺麗に剥がすことが出来ました。

メモリチップをコテライザーで剥がした直後の様子です。
パターンの上に多くのハンダが残っています。

チップを剥がした後のパターン部分にはハンダが残っているため、これをハンダの吸取り線で綺麗に掃除して平面を出しておきました。

パターンの上に残ったハンダを綺麗に掃除して、平面を出したところです。

そして容量が倍増したメモリチップをメモリカードから剥がして用意しました。この引き剥がし作業中にコテライザーの熱をメモリチップに当てすぎたようで、ピッ!とパッケージに割れ目が入ってしまいました(涙)。不良一枚に正常品二枚のメモリチップを剥がしました。

よく見えませんは左のチップの中央部に割れ目が発生してしまいました。

慎重にメモリチップの位置決めをして、リード線を 1 ピンずつ丁寧にハンダ付けしました。この作業が一番つらくて、目が凝る・肩が凝る状態となってしまいました(笑)。

新しいメモリチップをハンダ付けしたところです。

メモリチップのハンダ付けが終わったところで、電源を投入して動作確認を行いました。とりあえずシステムメモリは 16MB の認識のまま、正常に動作することを確認しました。

32MB 化されたシステムメモリの認識

32MB 化されたシステムメモリの認識方法は、telnet で WLA-G54 へログインした後、nvram コマンドで必要なパラメータを設定するだけでした。必要なパラメータは次の二つでした。パラメータの設定値は、元々のオリジナルの値です。
sdram_init=0x0419
sdram_config=0x0000

以上のように記述すれば、いかにも簡単そうですが、じつはパラメータをどのように設定するのかがなかなか理解出来ずに苦労しました。これらのパラメータの内容は Broadcom 社の公式の資料 "RESOURCE GUIDE BCM47xx" (BCM47xx_VxWorks.pdf) から発見しました。

システムメモリの初期化設定の一覧です。
9番目の設定から12番目の設定へ変更しました。

上記の資料の中の代表的な設定値の一覧表を参考にして、"sdram_init" の値を 0x0c29 と決めました。そして "sdram_config" は変更しないこととしました。この値を nvram コマンドで設定しました。
nvram set sdram_init=0x0c29
nvram commit
reboot

上記の NVRAM の設定によってシステムメモリが 32MB として認識させることができました。すでにインストール済みの DD-WRT (Build 13064) のステータス画面のメモリ容量を確認してみました。無事 32MB と認識しています。

DD-WRT のステータス画面です。
赤丸の部分がシステムメモリの全体の容量です。

以上でシステムメモリの増設が終了しました。
この後、OpenWrt をいくつかインストールしてみて、USB ポートの追加に良さそうなバージョンを選択したいと思っています。OpenWrt の新しいバージョンほど便利になっていますが、その分、動作が遅くなります。特に本機の WLA-G54 のプロセッサ速度は激遅の 125MHz です(爆笑)。ここは事前にしっかりと選択したいところです。

動作確認とシステムメモリの認識作業中の WLA-G54 です。


0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。