2015年6月9日火曜日

FON2201 もシステムメモリを 32MB へ増設

先日 FON2100E のシステムメモリを 16MB から 32MB へ増設しましたが、今日は FON2201 のシステムメモリを 16MB から 32MB へ増設しました。

以前、シリアルコンソールの移設と JTAG 端子の設置を行った FON2201 です。

メモリ増設の概要

基本的な作業の手順は FON2100E と同じです。ただし懸念事項として FON2201 に元々搭載されていたメモリの M12L128168A-7T の動作速度が 143MHz となっていたことに対して、今回搭載したメモリの M2V56S40TP-6L の動作速度は 133MHz と若干遅いため、動作しない、または誤動作をする可能性がありました。143MHz の動作速度のメモリを調達できれば問題ありませんが、入手が難しいと判断したため、今回の 133MHz のものをとりあえず使用することとしました。
FON2100E のメモリチップ交換(増量)
http://near-unix.blogspot.jp/2015/06/fon2100e.html

写真中央の M12L128168A-7T を取り外します。

メモリチップの交換作業

まず最初にノートパソコン用の SDRAM PC133 のメモリカードからメモリチップを取り外しました。チップの足の周囲にハンダを盛りつけて、ハンダの蓄熱効果で片側の足のハンダが緩くなったところで、少しずつメモリチップを取り外して行きました。前回 FON2100E の時に使用するために、一度メモリチップを剥がしたことがあったので、作業は順調に進みました。

まだ 7 枚ほどメモリチップが残っているカードから取り外しました。

次に FON2201 のメモリチップを取り外します。ハッキリ言って大変でした。

メモリチップのすぐ脇にある電解コンデンサ(470μF/16V)が邪魔になるので、一時的に取り外して作業を行おうとしましたが、GND 層の部分にハンダゴテの熱が逃げてしまい外れません。仕方なく電解コンデンサを残したままメモリチップを取り外すこととしました。

メモリチップの足へハンダ盛りをして、メモリチップを取り外そうとしているところです。

これが失敗の始まりでした。

電解コンデンサが取り外すことが出来なかったことから、この FON2201 の GND と Vcc 層の放熱が特に多いことをもっと認識しておくべきでした。

ハンダ盛りによるハンダの蓄熱効果でメモリチップを剥がそうとすると、全然剥がれないのです。そうです!ハンダゴテの熱がプリント印刷基盤へどんどん逃げていたのです。

電解コンデンサと反対側の部分の足を浮かせることに成功しましたが、電解コンデンサ側はどうにも外れませんでした。

そこで電解コンデンサを一旦外すこととしました。ハンダゴテの温度設定を最高値にしての挑戦です。メモリチップを取り外す作業までで、すでにプリント印刷基盤を持てないほどの熱さになっていました。この状態から更に加熱しながら、電解コンデンサをむしりとるように剥がしました。

電解コンデンサを外したところで、ようやくメモリチップの残った側の足を外すことができました。

今回ほど部品を取り外すのに苦労したことはありませんでした。

がしかし・・・ 大変なことになっていました。パターンが一つ剥がれていたのです。やはり無理をしてメモリチップを剥がしてしまったようです。以下の写真のように電線の中の撚り線の一本を使用して、剥がれたパターンの場所にある足へ直接ハンダ付けしました。

左から二番目のパターンが剥がれてしまいました。
電線の中の銅線一本をパターンにつながっていたスルーホールへハンダ付けしました。
写真のように円弧を描くようにして銅線を二段目のパターンのところへ誘導しました。
銅線を遠回りさせた理由は、銅線の位置決めのしやすさと銅線にハンダゴテの熱が伝わってスルーホールの部分のハンダが剥がれることを防ぐためです。途中をピンセットで押さえて放熱していました。
メモリチップのハンダ付けが終わったところです。
この後、互換性のある電解コンデンサを取り付けました。

メモリチップと電解コンデンサを取り付けたところで、動作確認をしてみました。やはり動きません(涙)。

ルーペでメモリチップのハンダ付け状況を確認してみると、リード線で接続した足の左右の足が浮いていました。僅かな直径のリード線ですが、その直径だけメモリチップが浮いた状態になっていました。ハンダで隙間を埋めるようにしてハンダ付けを行ったところ、無事起動するようになりました。

32MB に対応した RedBoot の書き込み

とりあえず 32MB のメモリチップを搭載した状態で動作することが確認出来たところで、32MB のメモリ全体を認識する RedBoot を書き込みました。書き込みの手順も FON2100E で行った方法と一緒です。書き込む RedBoot のデータも一緒です。

シリアルコンソールでアクセスした後、TFTP サーバのある操作パソコン(192.168.1.2)から次のコマンドを実行します。
RedBoot> ip_address -l 192.168.1.254/24 -h 192.168.1.2
RedBoot> load -r -b %{FREEMEMLO} ap51-8mb-32mb.rom
RedBoot> fis create RedBoot

再度起動させたところで、メモリの確認を行いました。確かに 32MB に変更されていました。

なお起動しないで RedBoot のコンソールで停止する場合には fconfig のコマンドを実行して、起動スクリプトの部分を設定してください。
RedBoot> fconfig
Run script at boot: true
Enter script, terminate with empty line
>>
となっている状態で次のように入力してください。
>> fis load -l vmlinux.bin.l7
>> exec
>> (リターンで抜けます)
残りの設問はそのままリターンで回答して、最後に書き込みをするかどうかの問い合わせの部分で Y を選択して設定を書き込みます。そして reset コマンドで再起動させます。
RedBoot> reset

OpenWrt Barrier Breaker 14.07 をインストール

システムメモリが増設されたので、FON2100E と同様に OpenWrt Barrier Breaker 14.07 をインストールしてみました。

32MB へ増設した FON2201 へ OpenWrt 14.07 をインストールしているところです。

FonFlash を使ってインストールしました。メモリの消費量など FON2100E と同じ内容でした。FON2100E との違いは、イーサネット・ポートが一つ(FON2100E)か二つ(FON2201)の違いですから、メモリ消費量などは、同じような状況になっていて当然です。

感想

心配されていたメモリチップの動作速度の違いは、とりあえず影響なかったようです。もちろんこれから暑くなる夏を迎えて、動作が不安定になる可能性もあります。これからしばらくは、安定に動作するかどうかを確認しなら、いろいろな実験をしてみたいと思っています。




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