2015年4月2日木曜日

DD-WRT をインストール失敗した Linksys E3000 を入手

これも随分と前にインターネット・オークションにて、DD-WRT のインストールに失敗して動かなくなったという リンクシス E3000 を入手していました。今回、この E3000 を復旧させてみたいと思って、取り出してきました。

Linksys E3000 の外観です。
Linksys E3000 の背面の様子です。

現在の状況

現在の症状としては、電源を投入すると POWER の青い LED ランプが激しく明滅するだけで、無線LANや有線LANのイーサネット・スイッチの部分も動作しない状況です。イーサネット・スイッチのポートへケーブルを接続しても、ケーブル接続を認識せず、該当する LED ランプも点灯しない状況です。かなりの重症のようです。

右端の電源ランプしか点灯しません。
それも激しく明滅を繰り返すだけです。

分解作業

ここは一気に分解するしかありません。底面にある4個のヘックスグローブのネジ(T10)を取り外して、筐体を上下二つに分離します。以前、リンクシス WRT320N で一度分解した形状のものなので、同じ位置に爪があるものと想像して分解しました。やはり想像通り、爪の位置は同じような場所にありました。

今回の分解ではプラスチック(ナイロンなのか、ポリプロピレンなのか不明です。)のヘラを使って分解しました。これはセメダイン社のエポキシ接着剤と一緒に入っていた、接着剤をかき混ぜるためのヘラです。ちょうどよい大きさと硬さを持ち合わせているので利用しました。このようなプラスチック筐体の分離に重宝しています。

セメダイン社のエポキシ接着剤用のヘラです。
これで隙間から筐体の低部を外側へ引き出して、爪を外しました。
筐体上部の爪が掛かる部分の様子です。
後部の角にある爪を外すのが難しい所です。
上記の側面の爪を外した痕、そのままヘラを後ろへ滑らせて外します。

筐体を分解するとプリント印刷基盤が見えてきました。6本ものアンテナ・ケーブルが出ているのが印象的でした。3本はソケットで脱着可能でしたが、残り3本はハンダ付けで固定されていました。


背面をみるとシリアルコンソール用の接点が見えました。ハンダ付け加工の痕が見られないことから、以前の所有者さんは、分解してシリアルコンソールを接続していたわけではないようです。そこでここにピンヘッダをハンダ付けをして、シリアルケーブルを接続できるようにしました。
参考 URL
OpenWrt Wireless Freedom -- Linksys E3000
http://wiki.openwrt.org/toh/linksys/e3000

プリント印刷基盤の裏面です。
こちら側にシリアルコンソール用の接点がありました。
シリアルコンソールのパターンへ直接ピンヘッダをハンダ付けしました。

原因追求

シリアルコンソールへアクセスできるようになったため、Debian Wheezy をインストールしてあるパソコンから仮想端末を経由してシリアルコンソールへ接続してみました。
# chown uucp /dev/ttyUSB0
# cu -l /dev/ttyUSB0 -s 115200

E3000 の電源を投入すると、すごい勢いで文字が流れて行きます。なんだか同じ内容を繰り返して表示しているようであったので、E3000 の電源を切って表示を停止してみました。(Ctrl + C では停止せず)

すると以下のような内容の繰り返しでした。

CFE version 1.0.37 for BCM947XX (32bit,SP,LE)
Build Date: Wed Jan 27 16:32:01 CST 2010 (ljh@team2-complier)
Copyright (C) 2000-2008 Broadcom Corporation.

Init Arena
Init Devs.

No DPN
This is a Parallel Flash
Boot partition size = 262144(0x40000)
CPU type 0x19740: 133MHz
Tot mem: 65536 KBytes

CFE mem:    0x80700000 - 0x8079DAC0 (645824)
Data:       0x80732A20 - 0x80737080 (18016)
BSS:        0x80737080 - 0x80737AC0 (2624)
Heap:       0x80737AC0 - 0x8079BAC0 (409600)
Stack:      0x8079BAC0 - 0x8079DAC0 (8192)
Text:       0x80700000 - 0x80732A1C (207388)

Boot version: v4.2
The boot is CFE

mac_init(): Find mac [00:00:00:00:00:00] in location 0
Nothing...
No country code find
**Exception 8: EPC=80715648, Cause=80008008 (TLBMissRd)
                RA=80715650, VAddr=0000000C

        0  ($00) = 00000000     AT ($01) = 807300A8
        v0 ($02) = 00000000     v1 ($03) = 00000000
        a0 ($04) = 80738C80     a1 ($05) = 8072CAB9
        a2 ($06) = 00000001     a3 ($07) = 80737AD8
        t0 ($08) = 8079D62D     t1 ($09) = 00000000
        t2 ($10) = 807322B0     t3 ($11) = 00000000
        t4 ($12) = 6A26162A     t5 ($13) = 48534C46
        t6 ($14) = 9FC036BC     t7 ($15) = FFBFBFF3
        s0 ($16) = 00000000     s1 ($17) = 00000000
        s2 ($18) = 8072CA8C     s3 ($19) = 8072CA68
        s4 ($20) = 8079D880     s5 ($21) = 8079D880
        s6 ($22) = 00004716     s7 ($23) = 00000001
        t8 ($24) = 04000000     t9 ($25) = 00000000
        k0 ($26) = FFFFFDFF     k1 ($27) = FFFFFFFF
        gp ($28) = 8073AA20     sp ($29) = 8079D858
        fp ($30) = 00000000     ra ($31) = 80715650


どうも BIOS の CFE の部分へアクセス出来なくて、何度も起動を繰り返していました。まだ CFE の部分が残っているのか? それとも壊れてしまったのか? それとも消去されてしまったのか? 不明です。

どうも JTAG 経由で CFE などを書き込めれば、なんとか復旧の可能性がありそうです。E3000 用の CFE はネット上で有志の方がアップロードしてありました。JTAG 端子はプローブで接触させるタイプの小型のパターンが用意されている状態で、ここへ JTAG 用のケーブルを接続させるには、それ相当の準備が必要です。プリント印刷基盤からケーブルで引き出して、その先にソケットを用意して、そこへ JTAG ケーブルを接続する形にしたいと思っています。ちょっと資材を購入してこなくてはならないため、しばらくは、この E3000 の復旧作業は中断となります。新しく作業をしましたら、このブログにて報告します。

Linksys E3000 のパッケージです。

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