2015年2月26日木曜日

Linksys WRT320N へ DD-WRT をインストール

もう一年以上も前に入手したまま放置していたリンクシス社の無線 LAN ルータ WRT320N へ DD-WRT のファームウェアをインストールしてみました。

今回 DD-WRT や Tomato のファームウェアをインストールした WRT320N です。

じつのところ、最近お気に入りの Shibby 版の Tomato ファームウェアをインストールしようとしたところ、ファームウェアのファイルサイズが大きいため、WRT320N に元々入っていたオリジナルのファームウェアではアップグレードの手順でインストールすることができませんでした。この現象は、古い WRT54G などの無線 LAN ルータでも見られる現象で、DD-WRT のファームウェアの内、容量の小さな mini や micro の記号がついたファームウェアを一旦インストールした後に、目的のファームウェアをインストールすれば成功します。

今回の DD-WRT をインストールした時点と、Tomato をインストールした時点で通信転送速度の計測を行いましたが、Tomato ファームウェアにおいて、IEEE 802.11 a と 5GHz 帯の IEEE 802.11 n の通信が出来ないなどの問題が発生したため、Tomato ファームウェアについては参考程度のデータとしてみてもらいたいと思っています。(注記:記事の最後に追記があります。Tomato も安定していました。)

LED ランプは黄色と青色の二色切替タイプのものが使用されています。

DD-WRT ファームウェアのインストール

まず最初に Linksys 社のオリジナルファームウェアから DD-WRT のミニ・ファームウェアのインストールを行います。以下の DD-WRT の公式ウェブサイトを参考にしました。
Linksys WRT320N v1.0
http://www.dd-wrt.com/wiki/index.php/Linksys_WRT320N_v1.0
上記のインストールの解説のページでは、次の Build 14471 のものを使用するように指示しています。ここでは冒険をすることなく、確実に動作するファームウェアをインストールするべきでしょう。
ftp://ftp.dd-wrt.com/others/eko/V24-K26/svn14471/dd-wrt.v24-14471_NEWD-2_K2.6_mini_wrt320n.bin

ブラウザでの設定画面の中で [Administration] のタブの中の [Firmware Upgrade] のところで、ファームウェアを指定して [Start to Upgrade] のボタンを押せば、インストールが開始されます。そして、自動的に再起動するまで待つだけです。途中で電源を切ることは厳禁です。

WRT320N のアップグレード画面から DD-WRT をインストールします。
インストールに成功するとこんな白黒の画面に
「アップグレード成功」と表示されます!

DD-WRT ファームウェアのアップグレード

DD-WRT のミニ・ファームウェアがインストールできたところで、すぐに最新の Build 21061 のファームウェアを同様にしてインストールします。インストールが成功すると自動的に再起動します。

なおこの DD-WRT のミニ・ファームウェアも何故か Tomato のファームウェアをインストールすることができませんでした。最新の DD-WRT ファームウェア(Build 21061)から出来ました。

Tomato ファームウェアのインストール

DD-WRT のブラウザのアップグレード画面から Tomato ファームウェアを指定して、インストールを行います。

DD-WRT のファームウェアのアップグレード画面です。

使用した Tomato ファームウェアは Linksys E2000 用のものです。
tomato-E2000-NVRAM60K-1.28.RT-MIPSR2-124-Max.bin
http://tomato.groov.pl/download/K26/build5x-124-EN/tomato-E2000-NVRAM60K-1.28.RT-MIPSR2-124-Max.bin
再起動に成功すればインストール成功です。

通信転送速度の計測

Linksys社オリジナルのファームウェアと DD-WRT ファームウェアと Tomato ファームウェアでそれぞれ通信転送速度を計測してみました。 測定条件としては、FTP 転送で、およそ 100MB の単一ファイルをダウンロードする速さを五回計測して、平均値を求めるものです。

上記のとおり、Tomatoファームウェアでは 5GHz 帯の IEEE 802.11 a と n で通信が出来ませんでした。症状としては、一瞬はつながり、DHCP で IP アドレスの設定も行える場合もあるのですが、数秒で通信が切れてしまうのです。原因は不明です。

また全てのファームウェアで 5GHz 帯の IEEE 802.11 n の通信の内、帯域を 40MHz に設定すると、やはり通信が不安定となってしまうため、計測を断念しました。

まずは 2.4GHz 帯の IEEE 802.11 g と IEEE 802.11 n についての測定結果です。

★ 通信転送速度 IEEE 802.11 g の計測結果 ★

オリジナル・ファームウェア : 2,605KB/s ( 20,846Kbps )
DD-WRT ファームウェア : 2,672KB/s ( 21,381Kbps )
Tomato
ファームウェア : 2,813KB/s ( 22,510Kbps )

★ 通信転送速度 IEEE 802.11 n (20MHz) の計測結果 ★

オリジナル・ファームウェア : 6,986KB/s ( 55,891Kbps )
DD-WRT ファームウェア : 5,858KB/s ( 46,868Kbps )
Tomato
ファームウェア : 5,590KB/s ( 44,721Kbps )

★ 通信転送速度 IEEE 802.11 n (40MHz) の計測結果 ★

オリジナル・ファームウェア : 7,070KB/s ( 56,560Kbps )
DD-WRT ファームウェア : 6,470KB/s ( 51,760Kbps )
Tomato
ファームウェア : 測定不能



次に 5GHz 帯の IEEE 802.11 a と IEEE 802.11 n についての測定結果です。

★ 通信転送速度 IEEE 802.11 a の計測結果 ★

オリジナル・ファームウェア : 3,467KB/s ( 27,742Kbps )
DD-WRT ファームウェア : 3,116KB/s ( 24,931Kbps )
Tomato
ファームウェア : 測定不能

★ 通信転送速度 IEEE 802.11 n (20MHz) の計測結果 ★

オリジナル・ファームウェア : 8,975KB/s ( 71,804Kbps )
DD-WRT ファームウェア : 7,628KB/s ( 61,029Kbps )
Tomato
ファームウェア : 測定不能



感想

上記の通り、三つのファームウェアを比較してみました。やはり Linksys 社のオリジナル・ファームウェアが一番通信速度が速いという結果となりました。また計測したデータのばらつき具合でも現れていますが、オリジナルのファームウェアが通信中も安定してデータを転送していました。どうも現在の時点では、オリジナルのファームウェアに軍配が上がります。VPN 通信を行いたいなどの理由がなければ、オリジナルのファームウェアで運用するのが一番効率のよい運用ができそうです。


追記 2015-02-26

その後、Tomato ファームウェアの動作が不調な件について調べていたのですが、どうも通信転送速度計測に使っていたパソコンの OS 側か、パソコンに装着していた無線 LAN アダプタ(CG-WLCB300AGN)のドライバに何らかの問題がありそうです。

通信転送速度計測時には Puppy Linux 5.7.1 JP を使用していました。無線LANアダプタに適用されていたドライバは rt2800pci でした。この状態で IEEE 802.11 a モードの動作が不安定になっていました。

しかし Debian Wheezy において動作確認を行なってみたところ、IEEE 802.11 a モードでも 5GHz 帯の IEEE 802.11 n モードにおいても、安定して通信することができました。

一体どうしたことなのでしょう!

5GHz 帯の IEEE 802.11 a や n の無線 LAN アダプタをほとんど所有していないため、他の無線 LAN アダプタではどうなるのか?検証が出来ない状態となっています。linux 用のドライバのない 5GHz 帯の無線 LAN アダプタは若干持ち合わせているので、ndiswrapper を使用するなどをして、5GHz 帯の動作状況の確認も行なってみたいと考えています。

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