2014年9月27日土曜日

ThinkPad A22e も ADP3421 の交換で復活

およそ一週間ほど前に起動不良だった ThinkPad A22m を修理しました。起動不良の原因は DC-DC コンバータ・チップの ADP3421 の故障でした。交換によってマシンは復活しました。その後も順調に動作をしており、起動不良の症状は発生していません。

今日は、同種の起動不良を抱える ThinkPad A22e を修理してみました。私が所有している個体は何度も分解してはヒューズや電解コンデンサの点検を行なってきました。しかしこれらに起因する原因を見つけられないでいました。そこで ThinkPad A22m と同様に DC-DC コンバータ・チップの ADP3421 を交換してみることとしました。

結論から述べますと無事復活しました!

ADP3421 の交換で復活した ThinkPad A22e です。

どうも起動不良の ThinkPad A2x シリーズや T2x シリーズはこの ADP3421 の交換で復活してしまう模様です。元々 ADP3421 が故障しやすい IC チップなのか? それとも設計に問題があって故障しやすい状況となっているのか? その辺がとても気になるところです。せっかく ADP3421 の交換でマシンが復活しても、いずれは再び同様の起動不良となってしまう危険性があるからです。できることなら ThinkPad の製造当時の IC チップが何らかの原因で耐久性が劣っており、その後改良されたという状況であれば安心できるのですが・・・。世の中、そんなに甘くはないのでしょう。

さて以下は ThinkPad A22e の ADP3421 の交換の様子です。

何度も分解を行なってきた ThinkPad A22e なので、それほど躊躇なく分解が進んでシステムボード(マザーボード)を取り出すことができました。

チップ交換のために取り出したシステムボードです。
プロセッサの上には放熱グリスに接触しないように
ビニルシートを被せておきました。

起動不良のため殆ど稼働させていなかったこともあり、内部の様子は前回の分解の時に掃除した綺麗なままの状況でした。

何度か分解を繰り返しているので内部は綺麗な状態でした。

早速 DC-DC コンバータ・チップの ADP3421 を探しました。意外と難しいところにありました。周囲に部品が多く、すぐ近くにキーボード用のコネクタもありました。作業中、このコネクタの一部をハンダゴテで溶かしてしまいました(涙)。

写真中央部にあるチップが ADP3421 です。
写真でチップの方向などを記録に残して、
ハンダ付け作業で間違えがないようにしています。

今回は狭い場所にあるために作業がかなり難航しました。まず古いチップをハンダゴテで剥がしましたが、足の周囲にハンダを流しこんで、ハンダ自身の蓄熱効果で剥がす方法を採用しました。この時、近くにあった抵抗器一個を一緒に剥がしてしいました。しかしその後、無事取り付けに成功しました。
交換前の ADP3421 です。


チップを取り除いた後、システムボードの表面を洗浄して新しいチップを取り付ける準備をしました。

ADP3421 を取り外した様子です。

新しいチップを仮にテープで固定して、チップの片方の足をハンダ付けした後、テープを剥がして、もう片方の足をハンダ付けしました。

新しい ADP3421 をハンダ付けしたところです。

再びシステムボードの交換したチップ周辺を洗浄した後、仮組みを行なって動作試験を行なってみました。 すると電源は入るのですがモニタは真っ暗なままでした。どこか異常があったのかと交換したチップの周辺を何度も確認しました。しかし原因は、メモリカードを取り付けていないことが原因でした。ThinkPad A22e ではメモリカードが取り付けられていないと警告音などが発せられないようです。

仮組みで起動を確認しました。

メモリカードを取り付けて無事起動することを確認した後、memtest86+ を使ってプロセッサが発熱しながら動作する状況を作り出して負荷試験としました。

負荷試験として memtest86+ を実施しました。

仮組みの状態で memtest86+ の試験も問題ないようだったので、本格的にマシンを組み立てて、再度 memtest86+ による負荷試験を行いました。二回転ほど試験を繰り返しましたが問題ないようでした。

完全に組みなおして、再度 memtest86+ の負荷試験を行いました。

他のマシンから借りてきたハードディスクを使って Puppy Linux 5.7.1 JP を起動させてみました。これで PC カードスロットや USB 端子などの動作状況も確認を行なっておきました。

Puppy Linux でマシン全体のチェックも行いました。

ようやく ThinkPad A22e の起動不良も修理完了となったようです。この私のブログを「A22e」のキーワードで記事を検索してみると、電池の充電状況が問題だとか???といろいろと妄想を述べていましたが、結局は DC-DC コンバータ・チップの ADP3421 の故障が原因でした。

まだ我が家には部品取り用と考えて安価に入手していた ThinkPad A2x シリーズが存在しています。これらも ADP3421 を交換して起動するか確認してみたくなりました。また交換する機会がありましたら、このブログにて紹介したいと思います。

2014-09-28追記
昨日修理した ThinkPad A22e ですが、再び故障しました。ただし今までのような電源ボタンを押して一瞬点灯するような症状ではなく、電源ボタンに全く無反応の状態です。ただし充電池の充電ランプは点灯しているので外部からの電源は供給されているようです。
修理が終了して Puppy Linux で深夜まで遊んでいましたが、翌朝電源を入れると動作しない状況です。ADP3421 の交換によって他の部位に止めのダメージを与えてしまったのでしょうか? 困りました(涙)。

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