2013年4月29日月曜日

Grandstream GXP2000 の入手と修理

インターネット・オークションで Grandstream GXP2000 を入手しました。


GXP2000 は Grandstream 社の製品の中でも高級品の部類のものです。プログラム可能なワンタッチボタンが装備されていたり、PoE 対応になっています。


早速 LAN ケーブルと電源アダプタをつないで動作確認をしてみました。前のオーナーの設定などが残っているようでした。そこで工場出荷状態に戻すべく Factory Reset を行うとしました。しかしボタンが反応しません。それも10キーだけでなく、すべてのボタンで反応がありません。さらにボタンを強く押し込むと一部に反応するボタンがあることを発見しましたが、とても実用的なものではなく故障品でした。インターネット・オークションではよくある「ノー・クレーム(苦情)/ノー・リターン(返品)でお願いします!」の商品で、また不良品をつかまされてしまったようです(涙)。

高い価格で落札したわけでもないので、よいおもちゃが手に入った!と気を取り直して GXP2000 を分解してみることとしました。

GXP2000 を分解してみると、ボタンの部分はゴム接点のラバースイッチ構造でした。このような家電製品のスイッチとしてよく使われているものです。


ラバースイッチの中で黒色のゴムの部分は導電性ゴムとなっていて、この導電性ゴムと対応するプリント印刷基盤の接点が接触してボタンが押されたことを電気回路へ伝えるようになっています。この導電性ゴムの部分が劣化して反応しなくなる事例がよく発生しているようです。またこの導電性ゴムは導電性を劣化させないために掃除しないこともネット上ではよく記述されています。しかしすでに劣化しているものと思われましたので、ラバースイッチを水洗いしてみました。表面に大量に付着していたタバコのヤニとホコリなどがすっかり綺麗になりました。プリント印刷基盤の接点の部分は無水アルコールで綺麗にしました。


ここまでの洗浄で電話機を組み立てて動作確認をしてみました。すると一部のボタンは反応するようになりましたが、まだ一部のボタンは反応しないままでした。導電性ゴムの劣化が動作不良の原因であることは確実のようです。

そこで接点復活剤を使用してみることとしました。最近ではほとんど接点復活剤を使用することがなかったのですが、20数年前に購入したエレクトロルーブを工具箱から探し出してきました。半透明のペン型の容器に入っているエレクトロルーブは長年に渡って放置されていたので現在も使用できるものなのか不明でした。もう廃棄してしまうかもしれない GXP2000 だったので、思い切ってエレクトロルーブを導電性ゴムの部分に少し塗って反応を見てみました。


するとエレクトロルーブはまだ使える状況であったようで、ボタンの反応が戻ってきました。しばらく押しているとボタンの端っこなどで反応が無いものがありました。再度 GXP2000 を再度分解して導電性ゴムにエレクトロルーブをぼってりと塗りつけて再度組み立ててみました。しばらくボタンを空押ししてエレクトロルーブを導電性ゴムに馴染ませてみました。今度は確実にボタンが反応するようになりました。
(参考)ボタンの反応テストには「Menu」>「Factory Functions」>「Diagnostic Mode(Keypad/LED Diagnosis)」で行うことができます。

導電性ゴムに接点復活剤のエレクトロルーブが効果があることは意外な発見でした。調子の悪いラバースイッチを持つ電気製品が他にもあるため、これらにも使ってみようと思っています。

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